9.11―あれから2年
アフガニスタンからの手紙を再読する。あれから世界は確かに変わっただろう、でもそれが良い変化とは思えない。あの日以降、テロの犠牲となった人たちはこのような変化を望んだのだろうか。ある遺族は「アメリカの他の家族が同じ目に会わないよう」現政権を支持しているそうだが、そのために「アメリカ以外の家族」の犠牲は止む無しということらしい。
バグダッドでのテロにより国連は活動を縮小を余儀なくされ、アの国は日本を名指しで復興支援要請をする。あんたの国が勝手に始めた戦争がまだ終わっていないのは認めているのだろうに。「暴力の連鎖の一方で優しさもつながる」とは、別の遺族の言葉。話し合いが生む優しさが、その連鎖を断ち切る力になるのは、間違いのないことではあるのだろうけれど。どちらの遺族も、亡くしたひとを思うことには変わりない。その思いには、黙って手を合わせたい。
話し合いで解決できれば戦争は要らん。という話を扱った物語はいくつもあると思うんだが、昨日のBrosのアレを読んで煮立った頭に浮かんだのは「太陽の牙ダグラム」。植民星として圧政に苦しんだデロイアの地球からの独立戦争を描いた全75話に渡る大作だが、何も始終ドンパチやってた訳ではなく、寧ろ物語を動かしているのは政治の駆け引き。
個人的に印象深かったのが、中盤以降のパルミナ行政官レーク・ボイド。武力より話し合いを優先する彼の姿勢は、一方で冷笑され、一方で少しずつ受け入れられながらも、結局は支配する地球人と支配されるデロイア人が分かり合えることはないという現実に、彼は行政官を辞すことになってしまう。そしてそれと時を同じくして武力衝突が激化し、その裏で権力を手にせんと暗躍するラコックの笑みはあくまで酷薄だ。
話し合いで解決できれば戦争は要らんのだ、ということを描いたアニメとしては、ダグラムは確かに絵的に地味かも知れんが、非常に良く出来ていると思う。そして、戦争を終わらせたのが武力でないということを含めて描いているのは、稀有な例かとも思う。劇場版なら80分でまとまってるんで見て欲しいなとは思うが、今時のお子様に受けるかどうかは知らん。しかしGXといいダグラムといい、どうしてこう地味で、最初から朽ち果てた主人公機が出てくるよーなのが好きなのかね自分。中秋の名月は朧月。
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