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2003.09.16

NHKスペシャル「テロを止めた対話 ~ノルウェー秘密交渉の記録~」

 9/13の放送は終わり際が目に映っただけだったのが、早速再放送。つか先にNスペ公式調べとけばよかった。

 スリランカからの分離独立を唱える少数民族タミル人の武装組織「解放のトラ(LTTE)」。政府軍との19年に渡る内戦は双方に6万人もの死者を出していた。大統領はノルウェーに仲介を依頼したが、LTTEの自爆テロは大統領の右目の視力を奪い、大統領の態度は硬化する。

 LTTEの政治顧問バラシンハム氏が腎臓病により密かに海外活動拠点のロンドンへ移る。ノルウェー外務省のソルヘイム特使は接触を試みるが態度は頑なだ。しかしバ氏の病状が悪化、ノルウェーは人道的処置としてバ氏をノルウェーへ移し、腎臓の移植手術を行う。バ氏の態度が軟化し、ソ特使はまず相手の話を聞き続けた。イギリスでのテロ組織への資金凍結が取りだたされ、LTTEがテロ組織とされないよう働きかけて欲しいとのバ氏の言葉に、ソ特使はテロを止めるよう初めての助言をする。

 LTTEのプラバカラン議長は18で組織を起こし、30年余り戦いを率いてきたカリスマ的存在。主力はやはり10代の少年兵だ。皆が首から下げているのは青酸カリのカプセル。「敵に捕まる前に自決する」と言う瞳には何の疑いも見られない。ソ特使と会ったプ議長は、その言葉の殆どをタミル人の生活の改善要求に充てた。初回の会談ではテロを止めるとの言葉は引き出せなかった。しかしノルウェーの努力は続き、LTTEは一方的停戦を発表する。

 しかし、大統領の硬化した態度は政府軍の攻撃となって現れる。一方、長年大統領を支え、同じテロで右腕を砕かれた憲法相は対話による和平を望み、和平派の野党へ移って選挙戦を戦い、ここに和平派の首相が誕生する。ノルウェーが動き始めて4年半、ついに両者は無期限停戦に合意した。

 箱根で和平会議が開かれたその日、アメリカのイラク攻撃が始まった。この会議ではタミル人への支援の割合の問題などで対話は中断。和平への道は決して平坦ではない。

 という所で終わったんだが、実に興味深かったです。見られて良かった。日本は最大の援助国ではあるけれど、スリランカが戦後賠償の放棄をした上、連合軍の分割統治に反対してくれたという恩に報いる必要はあると思う。今回調べ物して初めて知ったことですが。

 当初は政治活動をしてたのに武力を行使したのは政府軍が先だと言う「解放のトラ(LTTE)」。和平への道を最初に求めたはずなのに、自らが傷ついたことで態度を硬化させる大統領。やはり傷ついたのに、そんな大統領から距離を置き対話を模索する憲法相。LTTEの一方的停戦で事態が好転するかと思えば、その後の政府軍の攻撃を非難したソルヘイム特使は大統領の反感を買い、ノルウェーはソ特使の上に副外相を置き、ソ特使を裏方へ回らせる。事情を一番知る人物を下げることに不満を示すLTTEのバラシンハム氏。「話し合いで解決できれば戦争は要らん」を実践するには、まだまだ努力が必要な彼の地。

 ソルヘイム特使の部屋に掲げられた、戦死した息子の墓の前で嘆く母の写真。何千もの母が居る、それを胸に仲介外交を続けるノルウェー。スリランカの最大の援助国ということもあり、和平会議の場を用意した日本で目にした、アメリカのイラク攻撃のニュース。そんなアメリカを支持する日本は、ソ特使の目にはどう映ったのか。大体援助つーてもいつものばら撒きなんで、問題山積みらしいし。

 青酸カリを首に下げる少年兵についてはこんなのも。3年前の中学生向けの記事でこんなのとか、あるいはこんなのとか。これが現実。

 大統領を狙ったテロで使われた自爆装置。起爆すると1500もの金属の弾が飛び散るように作られている。このテロでは21人が死に、大統領の取材をしていたNHKのクルーも含めて100人以上が負傷したとのこと。バグダッドの国連の時と同じく、一瞬で血塗れになる画面。そのテロが分けた大統領と憲法相の選んだ道の違い。

 「事実は小説より奇なり」が適当ではないかも知れんが、1年近くアレを見続けた時間よりもこの約1時間の方が遥かに興味深かった。――つーとやはり言葉良くないかなぁ。

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