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2004.02.10

Nスペ「ドキュメント・エルサレム」後編

■後編・聖地の和平はなぜ実現しないのか 1967~2004

 併合された東エルサレム。イスラエル市の助役となったメロン・ベンベニスティはアラブ系住民との融和を図るが、内部での反発に合い職を退く。父ダビッドにシオニズムを叩き込まれたメロンはアラブ系住民を「身近な敵」と呼びながらも、父の作った地図の仕事を正当化することはできず、隣人としての共存を模索し、右派の強攻策に目を配る。

 聖墳墓教会の鍵番の家に生まれ、アラブ系住民の中で中核的な立場にあった父を持つサリー・ヌサイブ。境界線近くに育ち、ヨルダンによる支配下でパレスチナ人としてのアイデンティティを考えるようになった彼は今、かつて身を置いたPLO・パレスチナ解放機構から離れ、市民レベルでの活動を行っている。パレスチナ難民を前に、帰還権を放棄して、今の自分たちの土地を守り、パレスチナ国家建設を目指すように説く彼は、同じパレスチナ人から白眼視される場面もある。和平を説くサリーらのおかげで和平が遠のくのだと投げつけられる言葉は辛辣だ。

 82年レバノン侵攻、87年アラファト議長率いるPLOによるインティファーダ。PLOによるテロとイスラエル軍による報復の無限の連鎖。現在のイスラエル首相シャロン氏が政権の中枢へのし上がっていく様子と背中合わせに語られる、米軍の兵器の実験地としてのイスラエル。そしてそのイスラエルを支持するキリスト教福音派。彼らにとって主の再臨には約束の地をユダヤ人が手にすることが必要不可欠なのだ。しかしそのためにパレスチナ人が苦しんでも良いというのは、まるで中世の十字軍と変わらない。

 93年オスロ合意に達した両者だが、イスラエルでは95年に和平派のラビン元首相が暗殺され(Nスペ本編では省略)、大イスラエル主義を説くシャロン政権が誕生する。2003年のロードマップなど絵に描いた餅、今日もなおテロが続き、イスラエルによる壁はパレスチナ人の農地を分断し、見るものを圧倒する8mの高さで伸びていく。この壁の不気味さと理不尽さ、こんなことを許す神が居るというのなら、それは悪魔と謗られても仕方ないのではないだろうか。


追記

 これをupした直後にこんなの見つけちゃいました。
 馬鹿って言う方が馬鹿なんだって知らんのか。

*astroblog: 「キリスト教徒でなければばか」 機長がいきなり客室で 米アメリカン航空

 あと少し前の記事だけどこんなのも。

暗いニュースリンク: ジョージア州は最新教育カリキュラムで19世紀に逆戻り

 でもね。
 多くのクリスチャンは良い生き方をしてると思うし、それが信仰の力だというのも分かる話なんです。ただ極端な人が出るとイメージ悪くなるんだよなぁってだけで。
 テロリストが居るからイスラムは恐いというのも、一部の極端な人のせいなだけ。
 T・Pぼん「十字軍の少年騎士」(藤子・F・不二雄)を読んでほしいなぁ。

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