「カラシニコフ」単行本化
先に朝日新聞で連載されていた「カラシニコフ」(松本 仁一:著)が単行本になりました。連載分(カラシニコフ 銃・国家・ひとびと)は全部切り抜いて読んだのですが、大幅加筆されているとのことで読み直してみたいなとも。
ただ新聞広告に出てたコピーの「『悪魔の銃』の設計者、カラシニコフは生きていた!」というのはどうかと。「カラシニコフ(AK47)」という銃をめぐる人々をじっくりと追った長期連載は、知られざる物語を浮き彫りにする地道な発掘作業だったと思えるので、何かあの文面はちょっと頂けないような気がします。寧ろ帯にある、
「悪魔の銃」、カラシニコフ
ひとびとや国家にとって、銃とはいったい何なのだろう
というコピーが妥当でしょう。銃を手にしなくては生きていけないひと、そして銃を手放そうとするひとびとを追うこの連載を読んで、銃を知ることなく学校で好きなことを学んでこられた幸運を振り返らずには居られなかったのですから。
「朝日新聞社の本」の検索結果に立ち読みページあり。とはいえ印刷物のスキャンなので少々読み辛いです。テキストそのままを出してくれると良いのですが。
以下、連載時の各部の題名に簡単な内容を並べて紹介に代えておきます。単行本とは内容が異なるかとは思いますが、ご了承ください。
11歳の少女兵(シエラレオネの少女ファトマタが手にしたAK47)
設計者は語る(「母国守りたかっただけ」というカラシニコフの言葉)
護衛つきの町(銃の欠かせないソマリア・モガディシオで最大の問題は治安)
失敗した国々(地図に線を引いただけの国では国家の建設は失敗する)
襲われた農場(南アフリカで武器は都会から締め出され地方へ向かう)
銃を抑え込む(ソマリア・ハルゲイサのひとびとが望んだのは「銃で壊れない国家」)
追記
実際に単行本を読まれた方の感想など拝見すると、そもそもカラシニコフ氏存命という情報に驚いたところから取材が始まったというような経緯が加筆されている模様。そういうことならあのコピーは正しいのだなと。やはりちゃんと読まなくてはです。
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■カラシニコフ~11歳の少女兵
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