9.11――あれから3年・2
追悼式典などのニュースを見ていると、フリーダムタワーの工事のため、WTC跡地に触れられるのは今年が最後になるらしい。「そのまま触れられるようにこのままにしてほしい」という遺族の声が痛ましい。あの地を「グラウンド・ゼロ」と呼ぶのには抵抗があるが、広島を象徴するのが痛々しい姿を晒す原爆ドームであるように、WTC跡地も何もないまま残すべきだと思う。2棟のビルの面影を偲ばせる夜空に立ち上る青い光を見ながら、これでいい、これがいいんだと改めて思う。そこにあったものが失われた。なくなってしまったのだという現実でなければ伝えられないものもあるはずだ。フリーダムタワーが出来てしまったら、「かつてここにあったものが失われた」という記憶さえ埋もれてしまうような気がする。まぁそりゃあれだけの土地を遊ばせるのには色々問題もあるんだろうけど、周辺の空洞化も進んでいるというしさ。
しかしこのフリーダムタワーとかって名前はいかにもだが、いつぞやに「フレンチフライをフリーダムフライと言い換える」とかいうアホらしい話があったことも思い出し。そんなに言うほど自由な国でもないような気がするのだが最近は。
そして大統領は「我が国は3年前よりは安全になったが、まだ安全とは言えない。我々はこの敵を打ち破る」と演説した。うーん確かこの人が信じてる神様は「汝の敵を愛せよ」って言ってませんでしたっけ。何故彼らが敵になるのか、そして敵でないようにするには「打ち破る」以外の選択肢はないのかと考えては貰えないんでしょうか。パウエル長官も「戦って勝つしかない」と言ってるそうだけど、それで打ち負かした相手はそれで納得するのかしら。死人に口なしとはいえ、遺族が自爆テロに走ってる現実をちゃんと見ているのかしら。とか言ってるのは多分平和ボケだと言われるんだろうな。でもいいよ。戦争ボケより平和ボケの方がなんぼかましじゃい。
#しかしまた真珠湾引き合いに出されてるよ……ってあれしかないから仕方ないけど、真珠湾を攻撃させたのは誰なのよ? ってそんなこと言ってもそれこそ仕方ないんだけどさ。何を言っても亡くなった人が帰ってくる訳じゃないんだから。大事なことは、過ちを繰り返さないことなのであって。
あと気になったのはこれ。
■丸3年、全米で追悼式典 「ゼロ」から願う平和(MSN-Mainichi INTERACTIVE アメリカ)
民主党関係者やテロ犠牲者の遺族らが「悲劇の政治利用」だと反発した経過もあり、ブッシュ大統領をはじめ米政権高官は式典に姿を見せなかった。
まぁ、そうだわな。でも本当に悼む気持ちがあるのなら個人としてその地を訪れても良いような気がするんだけど。政治を絡めるからいかんのであってさ、と思うのだけれど。
■「9・11テロ」3年の前夜、平和願う遺族 NYなど - asahi.com : 国際
■3年の歳月、癒えない心の傷(YOMIURI ON-LINE / 国際)
■テロ跡地、空洞化止まらず NY「9・11」から3年 - asahi.com : 国際
■テロ対策、米で監視と規制強化 9・11から3周年 - asahi.com : 国際
■ブッシュ大統領「敵を打ち破る」 9・11でラジオ演説 - asahi.com : 国際
■米同時多発テロから3年:対テロ戦より選挙 米国務長官・国防長官、外交と軍事誇る(MSN-Mainichi INTERACTIVE アメリカ)
追記
「グラウンド・ゼロ」については以下の記事も興味深いです。アの国の大統領の言い分はやはり破綻してると思いますよ。
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コメント
9.11のアメリカ本土攻撃は確かにたくさんの人が亡くなって悲惨だ悲しいことだと思います。
しかしそこに飛行機をつっこまさせたのはアメリカの暴力に対抗するためです。
その構図を作ったのがブッシュ。
まあ、彼だけの責任ではありませんが・・・
そして、今後もその暴力による世界支配を続けようとしている。
9.11を悲しむ気持ちがあるのならなぜイラクの人たちのことが分からないのか。
感受性が鈍り、イメージが湧かないのだろうけれどあまりにも人間味が無さ過ぎる。
暴力で支配するには限界がある。
日本もこのままでは軍事大国になってしまう。
平和ボケを馬鹿にする人が多いけど、俺は戦争ボケの人の方が遙かに愚かで惨めに思います。
投稿: 六星 蒼 | 2004.09.13 07:20
>六星 蒼さま ありがとうございます。
六星さんの先の記事も頷きつつ拝見してました。
■めぞん六星の書斎の部屋: 日本は軍国化するべきか否か
http://rokusei-so.cocolog-nifty.com/syosai/2004/09/post_9.html
今回いただいたコメントも、ほんとその通りなんですよね。
彼の地のテロリストを育成したのはそもそもアの国じゃないのかという話まであって。
懐かせようと餌をやってたはいいが、手に負えなくなってポイっと捨てたら、元飼い犬に手を噛まれて逆切れして銃を持ち出したよーにも見えてしまい。
……そんな国にシッポを振ってる国もどうなのとか思ったりもしますが。
> 9.11を悲しむ気持ちがあるのならなぜイラクの人たちのことが分からないのか。
「イラクの一部のテロリストから、自由であるべきイラク国民を守るための戦い」であると自己正当化されているんでしょうね。それでも巻き添えをくって傷つくのは普通の市民なんですが。
ただ、記事末尾の新聞社系のリンクの読売の記事だと、イラク戦争に賛成だったという9.11遺族の話も出てくるんですが、こうした人を巻き込んで報復へ突き進む言葉の方が、その反対へと向かわせようとする言葉よりも力を持ってしまうのが現実だというのが悲しいんです。背後には軍需やら石油産業やらの利権が絡んで力を増しているというのが悔しいんです。
#あれっ石油のための戦争だったはずなのに原油価格高騰してますよー石油で食べてる人は困ってますよー(i_i)
> 暴力で支配するには限界がある。
歴史が証明していますよね。
その限界を知らないほど愚鈍な国とは思いたくないんですが。
支配者の圧政と戦うことで自由を勝ち取った国ですから、「自由のための戦い」は崇高なものなんですね。しかし、自国の先住民が本来持ちえていた自由はどこかへ行ってしまったようでもあるのですが。
> 日本もこのままでは軍事大国になってしまう。
> 平和ボケを馬鹿にする人が多いけど、俺は戦争ボケの人の方が遙かに愚かで惨めに思います。
予算規模から見れば日本は既に立派な軍事大国ですね。
迷彩服を着て銃を持ってイラクに乗り込んだ自衛隊は、いくら復興支援に来たと言っても軍隊だと思われている訳です。小泉首相も自衛隊は軍隊だと明言してますし。
それでも日本がこの59年間戦争をしないで来られたのは、立派な軍備を誇る自衛隊があるからではなくて、戦争を放棄した憲法があるからだと思うんです。日本は戦争をしない国だというのは、それこそイラクにも伝わっているんです。
平和な国に居ないと平和ボケにはなれないのだから、日本は平和な国でいて欲しいのですが。こういうことを言うのも平和ボケなんでしょうか? 実はこれってよく分からん言葉です。←なら使うな(^^;
「日本は戦争をしない国」で見てる中で興味深かったのでぶっくまーくしときます。
■ピースカフェインタビュー 田英夫さん 2003年12月
http://heiwajyuku.hp.infoseek.co.jp/cafe1.html
投稿: しののめ | 2004.09.13 20:27
いつも戦争に関して骨太な記事を書かれていることに脱帽してます。
平和憲法の意味を今一度噛みしめる。
そんなじきに来たのかも知れないですね。
60年の平和は「不戦」の決意の賜だと思います。
俺も平和ボケで良いと思います。
っていうか、死ぬまで平和ボケでいさせて欲しいです(^^)
投稿: 六星 蒼 | 2004.09.14 02:58
>六星 蒼さん
拙文に過分のお言葉をありがとうございます(_o_)
六星さんの記事の数々にも敬服しております。
> 60年の平和は「不戦」の決意の賜だと思います。
ほんとそう思います。
先のリンクの田英夫さんの記事中に、第9条は押し付けられたものではなく日本人の思いがこもっているものだ、というようなお言葉があって、この憲法を手にした焼け跡の日本人が誓った「不戦」の重さを改めて教えられたように思います。
ただ「若い人たちは憲法を読んだこともないでしょう」なんてお言葉が悲しいですね。webでさくっと読めたりするんですが、確かに読まないんだろうなぁ。
http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM">http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM
笑えるサブテキストとしては清水義範「騙し絵 日本国憲法」がお勧めです(^^)
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2003/11/1107.html">http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2003/11/1107.html
> 俺も平和ボケで良いと思います。
> っていうか、死ぬまで平和ボケでいさせて欲しいです(^^)
戦争を体験しないまま一生を終えたいですよねぇ。
勿論ずっと後の世代まで続いて欲しいんですけど。
おかしいなぁ、冷戦やってた頃の方が「核が飛んできてこの世はお仕舞い」的終末思想が溢れてたのに、日本が戦争に巻き込まれるかも知れないという危惧は今のほうが強い。
のほほんとアニメとお茶を楽しみつつ、平和って良いなぁと思って暮らしたいものです。←それにしちゃ見てるものが殺伐としすぎていやしませんか(^x^;
投稿: しののめ | 2004.09.14 23:42
真珠湾… 引き合いに出されてましたねぇ。
っていうか某大統領、やっぱり思ったとおりの演説の進め方でしたけどね。
そもそも「真珠湾の二の舞」「数千人死んだグラウンドゼロ」「だから戦争に勝つんだ」の三つしか言い分は無いと思ってましたけど。そりゃ、正直に「石油利権が有利になる」とか「軍需産業にいい思いさせないと選挙がヤバイんだ」なんては口が裂けても言えませんもんね(笑)。
マジメな話、現在はホント真珠湾と同じ構図だと思います。
外交その他で相手を締めるだけ締め上げて武力行使以外の手は無いまでに持っていく。んで武力行使に及んだら「先制攻撃だ!」って…。まるでそのまま第二次世界大戦のアメリカ参戦前夜って感じですね。
…それにしてもアの国、50~60年前のメンタリティのまま現在の政治をやってるのかと思うと… とっても怖いですねぇ…
投稿: ろぷ | 2004.09.15 04:32
>ろぷさん どもありがとうございます。頷きつつ拝見しました。
> マジメな話、現在はホント真珠湾と同じ構図だと思います。
確かに本音なんて口が裂けても言えない以上(^^; こうなってしまうのは仕方ないんでしょうけど。あの地を「グラウンド・ゼロ」と呼ぶのなら、「Remember Pearl Harbor」という怨嗟と報復ではなく、「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」という過ちを繰り返さないための祈りの方へ進んで欲しいのですが。それが、歴史から学ぶということなのだと思うのですが。
> …それにしてもアの国、50~60年前のメンタリティのまま現在の政治をやってるのかと思うと… とっても怖いですねぇ…
ほんとそうですね。しかし先日の「その時」でアラビアのロレンスを取り上げたのを見ていて、或いは100年前の第一次世界大戦でのオスマン・トルコ攻略と同じなんじゃなかろうかとか思ってしまいました。石油が欲しいから、自分に都合の良くない政権はつぶしてしまえという。
「その時 歴史が動いた」悲劇の英雄 ~“アラビアのロレンス”の真実~
http://www.nhk.or.jp/sonotoki/sonotoki_syokai.html#03">http://www.nhk.or.jp/sonotoki/sonotoki_syokai.html#03
真珠湾の日米比較のようなものはこちら。
■日本の歴史番組の場合:
「その時 歴史が動いた」日米開戦を回避せよ
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2003/12/1203.html">http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2003/12/1203.html
■アメリカのテレビドラマの場合:
ネイビーファイル#107「英霊が遺したもの」
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2004/05/navy107.html">http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2004/05/navy107.html
投稿: しののめ | 2004.09.17 16:30