« 今度は富野監督×高橋監督対談。 | トップページ | 連邦軍占い。 »

2005.05.01

愛国無罪と言うけれど

 日本の常用漢字の「愛」には「心」があるのに、簡体字にはそれがないじゃないかとか思うのは、ただの言いがかりなんだけど。

 日中首脳会談の条件は閣僚が靖国神社の春の例大祭に参加しないこと、とかいうような話があった中で(その話がなかったとしても今の空気を読まずに)靖国に行った人というのもある種「愛国無罪」ではないかと思ったりもする。「紳士協定」があったとかなかったとかいう話も出てるけど、それがあろうとなかろうと、何でわざわざ傷に塩を塗り込むようなことをするのかしらね。日本人でさえ快く思わない人も居るのに。

 在日中国領事館への嫌がらせに対する領事の日本政府へのコメントは、中国と日本を入れ替えたらそのまま日本政府が中国に言ってることだったんだけど、であればこそ、日本ではこうした行為に法治国家としての毅然とした対応が求められる訳で。殊に中国側で対処が厳しくなってきて双方で逮捕者も出てるけど、中国の反日デモに反対して日本国内で実力行使だなんて、日本人としての誇りがあれば出来ないことだと思うんだけどなぁ。同じレベルに下りてどうするのよ。

 同じ敗戦国のドイツとは単純に比較できないとかいう話もあるけれど、でもこの差は何なのとも思う訳で。近隣国とは普通仲が悪いものだと言ってた政治家も居たけれど、だからこそ仲良くしなきゃいけないし、それをするのが大人だろうと。

 教科書問題に関しては、いっそ「教科書問題」自体を取り上げる教科書を作ればいいという話が面白かった(少し前の朝日新聞オピニオン欄)。歴史には複数の視点で見ることが大事な訳で、そういう意味では「教科書問題」はいい教科書になるよなとも。ただ実際の現場では授業時間が確保しきれずに、その教科書を全部教える時間がなく、問題の近現代史なんてとても教えていられないというのは、まさか全部教えないための教科書を作っているんじゃないかとも邪推したり(今使われている教科書には縄文時代がないらしいが)。自分の生きている今、生きていく未来に直接繋がる近現代史は一番重点を置くべきところだと思えるのに。自分が高校で日本史をやったときには、3年から2年の続きの近世史の枠と、ページを飛ばして近現代史からの枠とに時間割を分けて2学期中に全部教科書終わったんだけど。

 自虐史観とか言うけれど、歴史から何を学ぶかといえば、成功だけでなく失敗にも学ぶことが多い訳で。過去の過ちを繰り返さないことを学び、それを実践して世界に示すことが敗戦国である日本の責務だと思える。敗戦国であるが故に60年間戦争をしてこなかったことは、他の国にできなかったことでもあるのだから、それは自虐どころか誇りにして良いことでしょ。軍隊を持って普通の国になりたいとか言ってる人も居るけれど、「普通ではない国」であることにこそ今の日本の価値があると思うんだけどな。


 5/3の憲法記念日を前に、時間が出来たらきっちり読みたいもの。4/29は「みどりの日」のままで良いのにな。11/3だって「文化の日」なんだしさ。

マガジン9条

|

« 今度は富野監督×高橋監督対談。 | トップページ | 連邦軍占い。 »

戦争を考える」カテゴリの記事

コメント

 靖国参拝まで「愛国無罪」の範疇に入れるとは、ずいぶん粗雑な論理ですね。

投稿: KK | 2005.05.05 16:37

>KKさん

 「愛国無罪」という言葉を、「自分の国を愛し、先人の辛苦を思うが故の行動であれば(それが隣国の人々ばかりか国内の同胞の心情さえ傷つけ、かえって国益を損なうものであっても)許される」という意味だと感じたもので、どちらの行為も五十歩百歩に見えます。暴行は決して許されるものではないのは当然ですが、精神的な暴行はナイフよりも深く心をえぐるものでもあるので。

 ただこれはあくまで自己解釈に過ぎず、下の記事での「愛国無罪」の語義とは意味合いが異なるものです。今回調べるまでこの背景は知らずにいたので勉強になりました。

■「愛国無罪」は「救国入獄」の夢をみるか…(書評日記 パペッティア通信)
http://plaza.rakuten.co.jp/boushiyak/diary/200504170002/

投稿: しののめ | 2005.05.08 17:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4985/3934037

この記事へのトラックバック一覧です: 愛国無罪と言うけれど:

« 今度は富野監督×高橋監督対談。 | トップページ | 連邦軍占い。 »