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2005.12.21

NHK知るを楽しむ・禁断の科学

 12/19の知るを楽しむ この人この世界:禁断の科学 軍事・遺伝子・コンピューター/池内 了、第3回「これで我々は全員悪党だよ」 -マンハッタン計画。再放送は12/26(月)早朝の0505~0530(NHK教育)。

 やべ。面白かった。と言ってしまうには不謹慎なお題ではあるが、確かにそれは「技術的に甘美」なのだ。日本いや全世界の人間にとっては、はた迷惑な限りの話なんだが。まぁ詳しい人には何を今更な話とはいえ、分かりやすいまとめ方がさすがNHK教育。

 爆弾の歴史と原爆の原理、そしてその作り方。ウラン濃縮ってそんなに手間隙と金が掛かるのか。そしてそんなものを使って、この60年で2000回以上も核実験が続けられているのか。そしてその甘美なる技術に挑んだ科学者たちはどこまでも人間的であったのだ。彼らが作っているのが大量殺戮兵器であり、その後現在に至るまで人類を恐怖で支配するものであったとしても。ナチス・ドイツの脅威が払拭されても原爆は完成への道を突き進み、そして広島と長崎で実地使用された。完成前にロス・アラモスから離れた科学者はジョセフ・ロートブラットただ一人。彼はこのような大量殺戮兵器の開発が進められるような事態に陥らないように振舞うべきだと、科学者の倫理を問う。それは、今この時にも問われ続けているものであり。

 次回第4回は、ロケット開発-宇宙への夢と核ミサイル。放送は12/26(月)・22:25~22:50(NHK教育)。当然、フォン・ブラウンの登場です。

Nスペ「原爆投下・10秒の衝撃」と核実験博物館

4141891355この人この世界 2005年12-2006年1月 (2005)
池内 了 日本放送協会 日本放送出版協会
日本放送出版協会 2005-11

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NHK」カテゴリの記事

コメント

 この時間帯もビデオに撮って一週遅れで見ているのでこの話はまだ見ていませんが、
その昔ヤングジャンプ「栄光なき天才達」で見ました。
私も大学ではバイオテクノロジーを学んだ者として、「禁断の科学」良く分かります。
学生実験で「大腸菌にペニシリン耐性を持たせる」なんてのをやりましたし
(そう言う遺伝子を大腸菌の遺伝子に組み込む)。
現時点で一番の“禁断”の科学はやはり遺伝子操作だと思います。
その点前GUNDAM SEED の“コーディネーター”は
なかなかうまいところをついていたなあ、と思いました。

 フォン・ブラウンの話もあちこちで聞きますが、すごい表現がありました。
「アメリカに召還された時に当然死刑を覚悟したが、
彼に用意されていたのは電気椅子ではなくNASA長官の椅子だった」。う~む。
# アメリカの(当時の)死刑は電気椅子でした。

投稿: Y/N | 2005.12.22 00:02

>Y/Nさん

 えとこちらもまずは録画をご覧になってみてください。ただ本文にも書きましたとおり、知っている人には何を今更な話かとも思いますが。NHKで科学者の倫理を問うものとしてはこういうのもありました。

Nスペ「サイボーグ技術が人類を変える」
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2005/11/nsp_cyborg.html
Nスペ「疾走 ロボットカー」
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2004/05/post_4.html

> 現時点で一番の“禁断”の科学はやはり遺伝子操作だと思います。

 遺伝子操作で救われる人も居ると思えば、これもやらずにいられないことではあるんですけどね。今まで培われてきたさまざまな品種改良だってそのルーツなんですし。
 でもそうして生まれた染井吉野は美しい花を咲かせながらも自ら種を残すことはない(クローンでしか増えない)というのは、人の欲望が歪めた生のあり方を象徴しているような気がします。

> その点前GUNDAM SEED の“コーディネーター”は
> なかなかうまいところをついていたなあ、と思いました。

 以前にも書いてるんですが、SEEDの設定は悪くないと思うんですよ。ただ自分としてはそれを生かしきれていないと思えてしまいまして。
 コーディネイターとナチュラルという話ではASTRAYの方が良くできてると思います。こっちをアニメでやって欲しかったなと。飛田展男さんのロンド・ギナ・サハク様はゲームだけでは勿体無いです。

 フォン・ブラウンに限らず、得てして大物には大物なネタがつきまとうものですね。
 という訳で次回が楽しみ。

投稿: しののめ | 2005.12.23 12:37

 ご紹介の2番組は見ました(なかなかの出来でした)。ちなみにサイボーグに関してはゆうきまさみが「パトレイバー」でちょっとふれていましたね。ASURAシステムは「サイボーグ一歩手前」として表現されていました(だからこそ危険視されて大学上層部から研究費をカットされた)。

>  遺伝子操作で救われる人も居ると思えば、これもやらずにいられないことではあるんですけどね。今まで培われてきたさまざまな品種改良だってそのルーツなんですし。
>  でもそうして生まれた染井吉野は美しい花を咲かせながらも自ら種を残すことはない(クローンでしか増えない)というのは、人の欲望が歪めた生のあり方を象徴しているような気がします。

 これに関しては遺伝子操作を学んだ者として一言。
* どこかで聞いた台詞かもしれませんが。

 いわゆる「品種改良」と「遺伝子操作」は根本的に異なります。「品種改良」は「自然界でも起こりうることを恣意的に行っただけ」です。御指摘の染井吉野も「自然発生したものをたまたま見つけた農家が増やした」だけですし。更に言えば染井吉野も「ちゃんと種をつけます」。ではなぜ種を蒔かないか、と言うと「種からは親と同じ性質を持ったものが育つとは限らない」からです。品種改良はこの性質を逆に利用しているくらいですから(とにかく種を作って蒔く)。種から育てている植物は何十回、何百回と育て続けて「種を蒔いても同じ物しか出てこなくなる」ようにしたものなのですが、これをやるにはとんでもない時間がかかります。動物ではこれをやるしかないのですが、植物の場合はクローンが簡単に作れる為にそちらに走ることも多いのです。
* とある稲作農家が言っていました。「20年コメを作っていると言っても、まだたった20回しか作ったことがない」。

 ところが「遺伝子操作」は違います。「自然界では絶対起こらないことを強引にやる」わけですから危険度がまるで違います。そもそも遺伝子の役目は細胞内でさまざまな物質を作るための設計図であることですがこの「物質」、いきなり完成するわけではありません。数十から数百の中間生成物をへて出来あがります。そして遺伝子操作で本来作るはずのないものを作らせた場合、この中間生成物についても細胞内で何がどのくらい作られているか「全く分からない」のです。もしかしたらとんでもない毒物が作られている可能性もあるわけです。これが一番恐いのです。

 通常の品種改良の場合、こうした中間生成物についても植物自体が自分で折り合いをつけてくれます(つけられなかったら子孫を残せないので)。だから結果的に「安全」なのです。

投稿: Y/N | 2005.12.24 01:10

 マンハッタン計画の話見ましたが、ちと別のところに引っかかりました。

 「禁断の科学」に惹かれる理由の一つとして「いままでだれもやったことがないことをやる」がありましたが、実は私自身ささやかながらそういったことに関わったことがあるのです。

 私はかつて科学計測機器を作る会社のソフトウェア関連子会社に勤めていましたが、その時親会社のとある機器の制御ソフト作成を担当していました。この部署会社全体の中ではかなり小さく(ソフト製作担当も私一人)、売上も微々たる物で「サラリーマン」として勤めている人たちの中には肩身が狭い思いをしている人もいたようですが(実際上司には「あんな部署に長年居続けさせて申し訳ない」と言われたこともあります)、私自身はそんなことは全く思っていなかったのです。

 守秘義務の関係から詳しくは書けませんが、まだやっと基礎理論が確立したばかりでいったい何に応用できるかもわからない(だからこそ売上も少ない(^^;)状況で、客のほとんどは大学や研究所といったありさまでしたが逆に見ればこれって思いっきり「最先端」じゃないですか。実はこの会社に入った時は「いずれ辞めて故郷に帰るから長くても4、5年」と思っていたのですが結局9年いました。それも正に「最先端の仕事に携われる」からにほかなりません。

 ちなみにちらっと内容の一部を紹介します(^^;と、複数の測定機器のON/OFFのタイミング制御を10ナノ秒単位で行う必用がありました。10ナノ秒と言うと「光の速さ」でも3mしか進めません!実際の測定機器とコンピュータは別室にありその間は10数m離れているのですが、この時各機器を繋ぐ電線間に1~2m程度の違いが出ただけでも(このくらい、普通はありえますよね)測定結果に狂いが出る!というものでした。
# やはり私も「向こう側の人間」なのでしょうか...

投稿: Y/N | 2005.12.27 13:20

>Y/Nさん 間が空いてしまってすみません。

 「品種改良」と「遺伝子操作」についてのご解説本当にありがとうございました。素人の浅はかさがお恥ずかしい限りですが、恥をかいた甲斐がありました。何が一番恐いのかなんて話はまるで想像の範囲外でした。自然って良くできてるんですね。
 「禁断の科学」は最終回が遺伝子の話なので放送を楽しみにしています。ほんと、素人向けの啓蒙番組としてはよくできてると思います。テキストも入手しましたが、こちらはこちらで文字として読むものなので、放送とは若干触れている範囲が異なりまして、それぞれの良さがあるものかと。

 第6回での原子力発電所の仕組みについては義務教育の範囲で習ったと思うんですが、故に知識は「制御棒でコントロールしている」止まりなので、中性子を吸収することで反応をコントロールするとかいう具体的な話は素人は知らないんですね。高校の物理かなぁ、とか兄貴と話してたんですが、文系は高校で物理なんてやってませんってば。というのは放送の範囲で、テキストを読むと、原子力の危険性の本質とは化学反応と原子核反応の違いから見えてくるものだという話が出てきてくれるものでして(これは放送ではなかったと思うんですが、放送向きの話ではないですよね)。いやもう詳しいひとには何を今更なんでしょうけれど。

 番組では毎回、科学者が「禁断の科学」に手を出す心情と、その倫理性について触れられています。自分自身は最先端の科学とは縁遠いところに居ますけれど、それに惹かれる人が居るというのは分かるような気がします。←アルジェントソーマやプラネテスが好きなあたり。

 大切なのはかけがえのない星に生きている一人の人間であるというごくあたりまえの認識と、バランス感覚でしょう。でも挑戦する気持ちを忘れては進歩はありえないということも、同じくらい大切なもののはずです。
 ですから、Y/Nさんがとても貴重な経験をされているのは羨ましいなとも思うのですよ(^^

投稿: しののめ | 2006.01.17 23:58

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