ゼーガペイン「OUR LAST DAYS」
ゼーガペインドラマCD「OUR LAST DAYS」(HMVにて冒頭部試聴可)。(笑いもアリ)とわざわざ書かれているあたりが何ですが、笑いも涙もありましたよ。ほんと泣けたよキョウちゃん……(i_i) 皆さん素晴らしいんですが、浅沼晋太郎さんがとにかく絶品なので、ヘッドフォンでどうぞ。囁き声にゾクゾクしますよ。音だけだからこそのお楽しみでもありますが、きっちり映像も浮かぶ作りこみですよー。
でも、シマ司令が居ないのは納得いかない。 第2弾では生徒会長と副会長の夫婦漫才と、キョウちゃんとルーシェンのお笑い教室と、シズノ先輩の納豆とミナトのベジマイト(オーストラリアの納豆みたいなもん)で突如勃発する女の戦いと、シズノとアークとクリスのパリサーバー編を希望。つか切望。出してください(_o_) →要望お出ししたらビクターさんからは返信いただきました!
●ゼーガペイン作劇のお約束
上げて、落とす
省略の美学(またの名を華麗にスルー)
謎が謎を呼ぶ展開(1つ謎が解けたと思ったら7つくらい謎が増えてる)
これに光と水と量子論と哲学とロボと切なさとありえねぇと上腕二頭筋とを混ぜて「消されるなこの想い 忘れるな我が痛み」というラベルを貼ればゼーガの出来上がり。
……んな簡単なもんじゃないけどね。
●EPISODE 1 The Children of OCEANUS
【上げて落とされた人】 中華組
キョウも上げて落とされてるように見えるけど本人はダメージを自覚していない。
【華麗にスルーされたもの】 OPのルーシェンの背景のロンドンの謎
【解けた謎】 キョウ+シズノと中華姉妹の出会い、#24「光の一滴」でルーシェンがキョウにキスしてもメイウーが平然としていた理由
【増えた謎】 キョウとルーシェンの出会い(半年間ルーシェンはどうしてた?)、ルーシェンの言うキョウのウェットダメージ(後述)
前バージョンのキョウの大人の会話も勿論良いが、何といっても落ち着き払った「エンタングル」は聴き所。つかあの魔性の男っぷりは何。シズノが幸せそうで良かった。恋する乙女モードのルーシェンのBGMって新曲? ガルダ0はライナーのY字顔の青いガルダか。クロシオも乗ってたし初期型なんだなーこれ。つてもキョウはこの時からアルティールだけど。
しかし「一周遅れのトップランナー」って洒落になっとらんルーシェンがベタ褒めするエースだったというキョウよりも撃墜数が多いクロシオって一体。姉妹が半年寝ている間にゼーガが新規投入されて当時は無敵を誇ってたということは、この間にシズノが3ループ目のキョウに出会っていたことになるんだよな。そしてこの後2ループくらいで、ガルズオルムの進化が加速して、復元者が出てきて、キョウは月面で自爆してしまうのか。
そしてラストで手のひら返してルーシェンをいじってるキョウちゃん、あんた鬼や(^^; 「今オレ考えたー」が可愛すぎる。前段で使わなかった抑揚をフルに使いこなして、上げて落として振り回してる浅沼さんの芝居が気持ち良い。「寒いのなんのって」のとこの発声とか凄く好き。
ただ高1で哲学読むのはアリだけど、ここまで来ると哲学オタクと言われても仕方ないかも(3ループ目以降だから中身は18歳だけど)。でもep3聞くとこれは幻体化前からだしなぁ。凄いやキョウちゃん。近代以降の西洋哲学には確かにロマンはないよなぁ、と高1の頃の自分はそう思って印度哲学に走ってしまったんだけど。
●EPOSODE 2 entanglement 13.3
【上げて落とされた人】 リョーコ
キョウは落とされっぱなしという感じ。生徒会長はキョウちゃんに嫌がらせするの楽しんでるだろ(^^; 愛のある鬼畜なんだけど。
【華麗にスルーされたもの】 シマ司令の出番(T_T)
【解けた謎】 ミーちゃんの真相
【増えた謎】 シメサバ3号って何? カスタードクリーム入りのおにぎりって。まぁライスプディングというものもあるけどさ。
【ありえねぇ!】「ぅわぁぁ! ありえねぇ! 見た目も中身もカミナギなのに! 何かすっげぇ男気を感じてるオレが居る!」
「いくらなんでも色々ありすぎだろ!」「明らかに使うもん間違ってるだろ!」とキョウちゃんのツッコミ絶好調(浅沼さんの芝居がまたイイ)。「お前今、引いたろ」って、ルーシェンとの掛け合いが生き生きしてて良いなぁ。良いコンビだ(^^)
タルボ声のカミナギの「ぶぅ~」に「か、可愛くね゛ぇぇぇっ!」って、普段は可愛いと思ってるんだね。語るに落ちたなソゴル・キョウ。って、そんなの今更指摘しなくても。「カミナギはカミナギだろ、どんな声してたってさ」という王子様の言葉で、リョーコ姫に掛けられた呪いは解けたのでした。
●EPISODE 3 our last days
【上げて落とされた人】 舞浜組
キョウちゃんの持ち上げられて叩き落されてが凄すぎて言葉も出ない。
傷口にキムチ塗られたカワグチも可哀相だが。そしてミズキはお持ち帰り済みなのか。
【華麗にスルーされたもの】 『世界の終わりの一日』に登場する歪んだ虹の謎、キョウがバイクの免許を取った時期、舞浜サーバーの筐体の前に倒れていた銃を手にした死体の謎
【解けた謎】 河能亨が『世界の終わりの一日』を撮影できた事情、舞浜サーバーに舞浜南高校の生徒が多い理由
【増えた謎】 クラシゲ「オルムウイルスには恐ろしい秘密が隠されている、それは……」何なんだよ! ナーガの人工ウイルスでした、という程度のオチかも知れんけど。
本編通りと考えると、この最後の8月31日というのも、水泳部の3人とはやっぱり仲直りした後なんだよね。とか思うと頭っから切ない。「乳酸出し切ったー」「タンパク質補給しよーぜ」「大胸筋が喜んでるわー」って、水泳バカというか筋肉バカなボキャブラリーが増えまくってるよキョウちゃん(^^; なのに読書感想文が「カント。純粋理性批判」だからなー。カミナギの「実録・ご近所対鬼嫁」も凄いが。「成績良いのとバカは別もんなの。成績の良いバカが、人殺しの兵器とか作んだから。問題は、幸せに生きてるかだ」って、それが分かってるキョウちゃんは決してバカではありえないのだけれど。本編見てた頃からよく話題に上ったのは、「お勉強だけできてバカな子っているんだよね」という新訳でのジェリド評ですが、キョウちゃんはちゃんと頭の良い子ですよ。言動が多少バカっぽいだけで。
しかし「デートじゃねぇよ」なんて、その言い訳に意味はないぞソゴル・キョウ。浅草というのは渋いチョイスだが、あの粋な浴衣のセンスとは合いすぎてるよね。浅草と言えばアレがあったなーと兄貴と話したり。にしてもデート中の会話が可愛すぎる。本編でもそうだったけど、照れを隠してるキョウの喋り方が可愛すぎる。わざわざカミナギに顔近づけて喋ってる「何祈ったんだ?」とか、リョーコの勝負服とビキニが気に食わないってあたりの庇護欲とか独占欲が可愛すぎるぞ。「……あーぁ、ぁ。ぃゃぃゃ」とかも大好きだ。リョーコの方も「じゃぁ、たべる」とか可愛すぎ。ほんと上手いと思うよ花澤嬢。二人のデートコースはこんな感じ?
台東リバーサイドスポーツセンター → 浅草寺 → 新東京タワー
→ロケ地ツアー:浅草編 行ってきました。
新東京タワーに登って舞浜を探すキョウ。夕暮れだから、この時点で既に封鎖されている舞浜の街の明かりはなく、東京湾の暗闇に溶け込んでいたのか。もっと真剣に探していれば舞浜の異変に気付けていたのかも。封鎖がどこからだったのかは分からないけれど、浅草から舞浜まで直線距離で約11km。
キョウは「母さん、ミサキ!」と呼ぶけれど父は呼ばないのは舞浜に居るはずがないからか。海外赴任っぽいし。#26「森羅万象」での十凍家の朝の風景は、4人が揃った最後の朝だったのかも知れない。そして避難所となった舞浜南高校の体育館にコージーは居たけれど、ミサキについての言及がないのは、残念ながらそこには居なかったのか。だから記憶から消されたのか。 →#26 十凍家の謎
多分体育館の床全体が量子転送台なんだろうな。でないとスイッチ一つで600人余の一斉スキャンは無理。そして後はそのスイッチを押すだけと言われたらもう押す人は決まってる。切なさを通り越してまっしろになってしまった#25「舞浜の空は青いか」の展開をなぞるようで、でもやはり彼の前に選択肢は存在しなくて……泣ける。リョーコの「罰が当たったのかな、お寺で拍手打ったから」(花澤嬢のこのあたりの芝居も良い!)に、「カミナギっ!?」って飲み込んでる声にはっとする。そして想いを残しつつ眠ってしまうカミナギの名を叫ぶのがまた……(i_i) ここからの「死なせねぇ!」の絶叫と「リトルグッバイ」の入り方とか、音だけなのに本編そのままで鳥肌立ちますよほんと。兄貴が「次回予告は?」って言ったくらい。ボリュームも本編1話分相当ですね。
で、このep3でのキョウちゃんのモノローグって、全部記憶を取り戻した実体化後の声ですよね。ほんと凄いわ浅沼さん。
●キョウちゃんがいっぱい
ルーシェンの話も加味すると、キョウは細かく分ければ多分これだけ居るんだろう。3と4の差は、前者は覚醒前と同じノリと思われるが、3ループ目でイェルに会ったときにはもうかなり別人なので分けてみた次第。まぁ、この間にも何かあったはずだし。公式にはどうなのか分かりませんが。
まぁこれは細かく分けすぎで、1~3、6、7は殆ど同じかと。前バージョンの4、5がイレギュラー。8は両者のイイトコ取り。今回のCDに出てくるのは★の4人分。
【1】幻体化前(ep3)★
【2】覚醒前(未登場)
【3】覚醒直後(未登場)
【4】イェルにシズノと命名する大人びた面を持ちつつ舞浜の生活をポジティブに語り、ルーシェンに乗りツッコミを仕込んだ明るさのあった人(#20、26)
【5】ウェットダメージのおかげでバカっぽい部分が完全に影を潜めて、更に落ち着いた大人の会話を繰り広げるようになったが自滅した人(ep1、#01アバン、#16、#26(#01アバン回想))★
【6】ver.2.0.1 リブート後(#01~06)
【7】ver.2.0.3 左手が消えたドライダメージ修復後(#07~25、ep1ラスト、ep2)★
【8】実体化後(#25ラスト、#26、ep3のモノローグ)★
●「意味はない」と「ありえねぇ!」
「意味はない」という前バージョンのキョウの口癖は、DTエイトロンのナインツを思い出してしまったり。そう思えば、この言霊のおかげで自滅に至る虚無感に囚われてしまったのではないかとか。そんな自分が厭になって、強制リセットを掛けるべく自爆した後だからこそ、リブート後は「ありえねぇ!」という口癖になったのかなぁとか。自分の認識を疑って掛かる言葉だから。幻体化前のep3ではどちらも使ってないんだよね。
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コメント
ほんと次号予告ほしかったですね。
投稿: プラス | 2006.10.27 12:28
こんにちは、度々失礼します、怒羅ゑ悶です。
自分もドラマCD拝聴しました。確かに生徒会長が出てこないのは残念でしたね。ギャグでこそあの外道っぷりが生きてくるのに。
新曲は了子とミナトの料理シーンでもかかっていたらしいです。本編で使う機会の無かったものを利用したのでしょうか。
"OUR LAST DAYS"はてっきり非破壊的手法でスキャンした後、死を待つばかりの日々を淡々と描くものと想像していたのですが全然違いましたね。スキャン方法がちとファンタジックだったのはエセSFファンとしては残念でしたが、まああの非常時に一々体凍らせてナノ単位でスライスなんてまどろっこしくてやってられないのも事実。
投稿: 怒羅ゑ悶 | 2006.10.28 15:54
ルーシェン、キョウとまたコンビを組めるとはなんて言ってたのは、お笑いのコンビのことだったのか!?
私はてっきり彼がウィザードとしてキョウのリアシートに載ったことがあるもんだと思ってました。
メイイェンもキョウとコンビ組んでいたとは初耳でした。彼女がキレたときの感想は「ようやくキャラ設定が生かされたか!」の一言に尽きます、本当に。
クラゲ先生が実は日本有数の量子技術開発チームのメンバーだったなんてビックリです。
でも、本編で量子力学の授業をしてたのはその名残なのですね。
キョウちゃんは人間だったときも幻体だったときもどーして1人で重たい決断をしなくちゃいけないのでしょう。涙が出てきます(1人で人間に戻った結果、26話のラストに出てこなかったのは老人になってたか死んだからじゃないかと言われてます。私としてはやはりどんな姿であっても彼にラストを飾ってほしかったのですよ。でなきゃ、苦労が報われない気がするのです)。
しかし、自分の選んだ道を辛いと思っても後悔はしない。それがソゴル・キョウという男なのでしょう。
どのエピソードも映像付けてほしかったです。
それにしても26話で本編が終わったのが実にもったいないです。もう1,2クール増やしてもよかったのに。
私は今まで神アニメという言葉の意味を良く知りませんでしたが、ゼーガペインを見たとき何となくわかった気がしました。
投稿: ありた | 2006.10.28 21:38
皆様またまたありがとうございます。
>プラスさん
ですよねー。ちゃんとリトルグッバイで終わったのに。ということで第2弾希望。
>怒羅ゑ悶さん
電撃大王の外伝で炸裂していた鬼畜司令の外道っぷり、ドラマCDでも聴きたかったですよね! リョーコとミナトのとこも確かに新曲でしたね。一部ではドラマCD用の新規録音だという話もあるようなのですが、NT11月号の広告では確認できませんでした。いずれにせよ未収録音源をおまけに完全収録した第2弾切望。
#07のシズノの台詞からだと、避難という言葉の切迫感があったのに、#10の「世界の終わりの一日」を見てあれって感じでしたが、ep3では両方に辻褄が合うようになってましたね。体育館の床でそのままスキャンかよ! というのは確かにファンタジックではありますが、その細かい描写をするのはハードSFに任せておけばいいことで、ゼーガで語るべきは、そのスイッチを押さなくてはならないソゴル・キョウという人物ですからね。
オルムウイルスの恐ろしい秘密とは、実は移入ナノウェアが仕込んであって、病状が進行してるように見えて量子データ化が着々と進んでいたのでした! みたいなのを一瞬考えましたがさすがにそうではなかったようで。というくらい、『ディアスポラ』はショックでした。スキャンの真相については小説版とかでフォローされると良いんですけどね。自分でもついうにゃうにゃ考えてしまいましたが。
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2006/10/zega_drmcd_3.html
>ありたさん
ルーシェンの言うコンビはやはりお笑いなんですかね(^^; メイイェンがキレると恐いのはep2でもしっかり出てましたね。メイウーとメイイェンは音だけで聴くと双子に思えたのが今回の収穫でした。
2022年では高1で量子力学かーと思ってたんですが、クラシゲの素性を聞けばアリなのかとか。尤も#05のはキョウにしか聴こえてない授業だったようですが。
キョウに関してはもうそういう星の下に生まれてるから仕方ないのかと思いつつ、でもそこで躊躇わないのが彼の強さなのだと思い。
#26のエピローグの解釈については、時間経過に2説考えられるけれど、好きな方で良いのなら幸せな方が良いと思ってます。「後悔なんて意味ねぇよ!」と言い切れるキョウちゃんならではのラストなのですし。
■ゼーガペイン#26 時間経過まとめ
http://blueeyes.air-nifty.com/muimui/2006/10/zegapain26_time_1.html
ゼーガは2クールの契約なので、その枠内で出来る限りのものとして作りこまれた作品だと思います。確かにあとせめて1クールあればと思う部分も多々あるのですが、そうすると得てして間延びしてしまって「中だるみがなければ」とか言われるのがオチかも。現状でも、ゼーガは1クールで充分って評価をしている人も見かけましたし。何というか、物足りないくらいが実は丁度良いんですよ。
でも理想を言えばアニメのゼーガをもっと見たいんですよね。そのためには、本編も良かったし、ドラマCDも楽しかった、という声を作り手に届けなければと思います。
投稿: しののめ | 2006.10.29 00:58