ゼーガペイン#23@AT-X
AT-Xでは放送中の、上腕二頭筋が哲学を語るステキな量子SFロボットアニメ ゼーガペイン#23「沈まない月」。#26までの展開含めての感想などつづき。
●今回のタイトル
後半で月に攻め込んだはいいけど落ちないから「沈まない月」なのか、北極基幹サーバー攻略戦を見守る月が北極圏であるが故に「沈まない月」なのか。北極圏の白夜の「沈まない太陽」というのはよく言われても、このときに月がどこに居るのかはあまり話題にならない。黄道に対し白道の軌道面は5.8度傾いているのだけれど、白夜の際には月も沈まないという認識で良いのだろうか? 確かに月は出ていても北極の空は夜ではなかったなぁ。あれ、でも北極の白夜って夏だよね。季節よくわかんねー。
●最終作戦フェイズ2:サバト内部へ
巨大デフテラ領域という割には、障壁の内部が案外フツーだったのに拍子抜けした。#03で印象的だった、物理法則が異なる謎の実験空間という設定はどこへ行っちゃったのー。そういや地上波の#22では「DEFUTERA」ってローマ字で書いてたけど、#03の「ペイン・オブ・ゼーガ」の画面では「deutera」(AIの発音もこれ)、んで公式の用語集は「デフテラ領域(A def-terraformed sphere)」って全部違うのはどーゆーことー(^^; ←公式のが本来の用語で「deutera」は別名なんだろうけど
あと細かい話で「たまらないな、囮になるのもなられるのも」のとこのクロシオは何故に長袖?
因みに氷を砕いて侵入したときの貫通弾ディープスロート、実在の兵器はこんなの。
●今回のキョウちゃんと愉快な仲間達
不安げに肩に触れてくるリョーコに手を重ねて「今度触れるときは、お互い本物だからな!」って……本物同士で触れ合えたのはいつの日か。そして多分最後の「エンタングル!」
クリス「これはこれは、盛大なお出迎えだ」シズノ「なら挨拶も、盛大に答えなくちゃね!」ときてキョウちゃんが「出迎えご苦労ぉっ!」と絶妙な繋ぎ。何気にこういう強気なシズノ先輩が好きだ。
んで「反撃弱まったんじゃねぇのかよ!」タルボ「予備ジェネレータでしばらくは作動します」「先に言えよっ!」ってキョウちゃん声裏返ってるー可愛いー(^^)
月へ行くのに「油断はするなよぉ、皆」って、うわーなんか引率の先生だよクリス。「リョーコ、低重力での戦いは初めてね。加減速に注意して」とシズノが直にリョーコと呼ぶのは初めて? で、月に行ったことがないのはリョーコだけってことですね。ここでメイウーをメイイェンと呼ぶリョーコに笑ってるのってクリスとルーシェンだけかな。リョーコのデータ汚染疑惑とかウェットダメージ疑惑とか掠めたけど、実際にはただの天ボケみたいで良かった。
そして月面に到達、当初の敵は小型のゼーレゥに旧式のハゾンマイヤと手薄。ジフェイタス内部からの攻撃は敵の想定外。「それがこの作戦の要」……つまり、アドバンテージは初期段階のみというのは織り込み済み。セレブラムの予想外だったのはアンチゼーガ・マインディエの早期出現。「どうやってここへ?」とシズノが驚いてたけど、スペアが1組残ってたのは予想してたのか。でも量子ポータルはつぶしてなかったんだし(帰るのにも使うつもりだったみたいだし)、サーバールームへのシャフトなんて敵の庭なんで発見されるのも容易なこと。そして後は敵にどっさり援軍回されるのも時間の問題(というのはポータルが先に出てくるXORで身に染みてる)。だからシマは急げと言ったのに。実際にはマインディエは小型ポータルで自力で転送してきたのだけど。
今回の戦闘はほんと見応えたっぷり。やぱ16:9はいいなー(^^) マインディエの攻撃を避ける時のアルティールの体の捻り方が凄く好き。フリスベルグのAIは今回はスペイン語のみで、クリス自身はフランス人で、でも【NO CONTROL】→ 「I have control !」が英語なのは航空用語だからか。#08「水の向こう側」でメイウーが操縦系把握してたときにはこういうのはなかったけど。アルティールとガルダのAIが英語だからフリスベルグは何となく別の言語にしてみました程度っぽい(幻体相手じゃ言葉変えても意味ないと思うし)。……でも何故スペイン語? ゼーガ用語でスペイン語を探すと、XORのムエージェがスペイン語で「波止場」の意味なんだけど。イゾラはイタリア語の「島」。
●生徒会長と水泳部長
まずキョウに繋がせて「キョウ、君には色々辛い役目を負わせたな。すまなかった」と詫びるシマの言葉は凄く重い。それは先の#19「ラストサパー」での舞浜サーバー防衛戦などを指しているだけではなくて、ずっと以前の舞浜のデータ移動とか、イェルのことだとか、前のキョウに負わせてしまったものが重過ぎて、キョウを自滅に追い込んだことを含めての言葉。でもキョウは「よせよ、今生の別れみてぇで、縁起わりぃ」と流す。
そしてシマは「私が目的のために手段を選ばないことは、良く知っているだろう」とは言うけれど、そういうシマも、シズノも、キョウも、実はこの点では似た者同士。それでこの3人は気が合ってたんだろうなとは思うし、だからこそキョウはシマの意図の先回りをして「ふざけんじゃねぇ!」と一喝してみせたのだろう。しかし実際にはシマは勝手に死んでしまったようなもので……うううっ。ぱんつ一丁にして顔に落書きしてやるー!(i_i)
→舞浜南放送局#9 でこの約束が出てきて良かった良かった
●ナーガ先生の特別授業
ナーガ入ってるキョウが、ちゃんと黒くって良い。浅沼晋太郎さんのバリバリ悪役芝居というのも見てみたい。16:9でも「あなたの好きな姿で相手をするわよ」のシズノがぬぅどなのかどうか分からなかったけど、あれはどう見てもぬぅどだよな。#02のシャワー室で全部見てたもんねキョウちゃん。でも心の痛みについて説く際にキョウちゃんが思い浮かべた大切なものとは舞浜の風景であり、姿なき母であり、カミナギであり……ミサキ・シズノが居ませんが。何かもうここまでシズノスルーを徹底されるとさぁ……酷いよキョウちゃん。今回シズノはキョウの心配ばかりしてくれてるのに。そいえば先の場面で出てきてたナーガ入ってるシズノはあくまで転校生で、舞浜南高校の制服着てないんだな。キョウがここまでシズノをスルーしちゃうのも分からないではないのだけれど。
●「オレの拳が! オレの上腕二頭筋が!! オレの魂が怒り狂ってる!!!」
今回のキョウちゃんの名言はやはり上腕二頭筋。「……って内側だよね。要は殴りたいってことじゃん」という兄貴の言葉で、そっか外側は上腕三頭筋だったのかと。腕を振ってみると分かりますが、殴るのに肘を引くのに使うのは上腕二頭筋で、殴りつけるのに押し出すのに使うのは上腕三頭筋。キョウの担当のクロールで使うのはどちらかというと上腕三頭筋の方みたいなんですが、
クロールで疲労を感じやすい上腕三頭筋が司るプルのフィニッシュ時が最もパワーを期待される場面[写真3]ですから、そのときに上腕三頭筋の収縮と拮抗する上腕二頭筋の伸展がスムーズ且つ素速く行われることは非常に大切です。
とあるように、ただ泳いで上腕三頭筋を鍛えるだけじゃなくて、意図的に上腕二頭筋を鍛えてこそクロールは上達するみたいですよ。伊達に自宅にでーんと筋トレ用のベンチ置いてるキョウちゃんじゃありません(使ったことなかったけど)。
初見時にも書いたけどこの台詞は、なくしたはずの身体感覚に繋がる直感を信じてるのが良いんだ。肉体を持って本物の世界と触れ合ってはじめて生きてると言えるんだというのは#18「偽りの傷、痛みは枯れて」以来のキョウの主張。初見時は#17「復元されし者」以降の展開が行きつ戻りつに見えたんだけど、最終回まで見ると結末を見据えたシリーズ構成になってるのがよく分かりますね。
●今回の撃墜数(画面で確認できるもののみ)
【アルティール(キョウ+リョーコ)】ウルヴォーフル×3(ブレード) マインディエ戦良かったんだけど倒せないと数字にならない。パーフォレーターで体当たりするのも好きだねキョウちゃん。パンチも好きだし、だからこそのあのラストの選択には納得。
【ガルダ(ルーシェン+メイウー)】アンヴァール×5(ランチャー+ランサー)、ハゾンマイヤ×4(ランサー一閃) マインディエ戦でシールドを囮にしたりとか姿消したりとかこちらも良かった。こういうシールドの使い方って、実体があるようでないようなホロニックウェポンの使いでの良さというか面白さというか。好きだなー。
【フリスベルグ(クリス+シズノ)】アンヴァール×5(スピードマイン)、アビスとシンの再生カプセル(スピードマイン+ライフル)「これが、アビスとシンの……不死身の秘密か! 命を弄ぶお前達、二度と生き返ってくるなぁっ!」と言って殲滅するのはクリスならでは。……1組だけ残ったけど。あと月面でゼーレゥ×4(ライフル)
【コアトリクエ(アビス+シン)】デウカリオン、カラドリウス、青いガルダ系×2、タオ司令の「死んでも通さん!」に「死ねば、通れる」で自爆してカガヤン撃墜。以後アンチゼーガ・マインディエに乗り換え。
あと青いガルダ系がオーヴァル1機仕留めてた。カラドリウスも頑張ってたけどさすがにコアトリクエの前では力及ばず。
オケアノス級母艦は8艦→デウカリオン、カガヤンの2艦撃墜・オケアノスは月へ、ドヴァールカーはクラウドへ向かい、北極に健在なのは4艦。でもコルデュアクスも派手に被弾してたからカガヤンと一緒に落ちてたかも。#26で量子ポータルの前に3艦いたのは確認できてるんだけど。
このオケアノス級の各艦の色が、AIのパネルとか司令席とか司令官の服とかメインモニタのフレームとかまでちゃんと統一されているのが良い。何かどっかの赤い総帥みたいなインゼル司令のコルデュアクスが本当に赤かったのがおかし。
XORやってて兄貴が言ってたんだけど、このAIクルーが各艦で共通しているのが世界観として面白いねと。うん。オケアノス(アニメ本編)とドヴァールカー(XOR)のように、他の艦にもそれぞれの物語が作れるよねって、確かにそういうのも見てみたい。
←#22「ジフェイタス」(AT-X)/#23「沈まない月」(地上波) ◆ #24「光の一滴」(地上波)/#24「光の一滴」(AT-X)→
■サンライズ公式
■テレビ東京公式
■カミラボ:ゼーガペイン
■トラックバック・ピープル:ゼーガペイン
![]() | ゼーガペイン FILE.04 アニメ:ゼーガペイン バンダイビジュアル 2006-10-27 by G-Tools |
![]() | ゼーガペイン FILE.05 アニメ:ゼーガペイン バンダイビジュアル 2006-11-24 by G-Tools |
| 固定リンク
「ゼーガペイン各話感想」カテゴリの記事
- ゼーガペイン#02@BS11(2010.04.24)
- ゼーガペイン#01@BS11(2010.04.12)
- ゼーガペイン 感想index(2010.04.12)
- ゼーガペイン#07-08@AT-X再々放送(2007.09.24)
- ゼーガペイン#01-06@AT-X再々放送(2007.09.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント