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2006.10.03

ゼーガペイン#26 シンの贈り物

 ゼーガペイン#26「森羅万象(ありとあらゆるもの)」、最終回の問題のCパートのリョーコについて、ゼーガペイン#26 減速と再生と後半での、萩尾望都「スター・レッド」のヨダカと星(セイ)の話のつづきみたいなもの。

 データから生体を復元できるガルズオルムはDT持ってるんじゃないの、というようなことを以前冗談で書いていたが、案外冗談じゃないかも知れない。以下、DTエイトロンについてAT-Xで今放送しているあたりからラストに絡むネタバレも若干あり。

 DTエイトロンにおけるDTとは "Deta Transform" の意で、形質転換因子のこと。作中ではこのDTがあればライフデータを生体に復元することが可能だとされている。また、自らをデータ化した人物が再び肉体を得ようとする際に、適当な生体への自分のデータのアウトプットを試みるが、DTを持たない生体へのアウトプットはことごとく失敗。DT保有者へのアウトプットでは、DTは7タイプあるためか、そのうちの1つだけの保有者では一時的にしか成功しなかった。第8のDT=完全なるDTを持つエイトロンにはアウトプットが成功するかに見えたが、エイトロンの意思がその人物の復元を阻み続けた。


 シンがリョーコに与えたのはこのDTのようなものだという、あくまでも個人的な仮説を立ててみる。


 復元者の体は全て同じデータから再生され、今ある体が滅びても、スペアの体に人格のデータを転送することで、同じ人格を保って甦る。それを可能にする因子があれば、復元者のようにデータから生体を復元でき、また生体へのデータの転送が可能になる。
 シンにこの因子を埋め込まれたことで、リョーコの幻体の体の欠けた部分は修復された。そして幻体の体への意識の転送が可能になり、リョーコは舞浜サーバーでも意識を保てるようになった。ただしシンが修復したのは、あくまで、データを転送できる幻体の体だけ。アルティールに取り残された感情領域に、シンは触れていないのだ。ただ、リョーコの幻体データにこの因子が埋め込まれたことで、エンタングルの度に少しずつ感情を取り戻すことができたのかも知れない。そして感情を全て取り戻したとき、リョーコの幻体データは実体化可能な状態に全て復元された。

 そして、実体化に必要なデータを持たないイェルにどう体を与えるのかという話で、適当な生体へイェルのデータをダウンロードする方法を考えてみる。このダウンロードを可能にするのが、リョーコが持つ復元者の因子だ。ただリョーコ本人にダウンロードする訳にはいかないので、リョーコと同じデータを持つコピーを作ってダウンロードする、つまり、リョーコの子を作ればいい訳だ。これから生まれてくるものとしての体=素体を作り、そこにイェル=シズノの圧縮データをダウンロードする。そしてその子の成長に応じて少しずつ展開していけばいいと。リョーコの持つ復元者の因子が、このダウンロードされたデータからの生体の復元を可能にする。その子が17歳になったとき、その姿と意識とは紛れもなくシズノのものであるはずだ。そうでなくては彼女を実体化したことにはならない。勿論、本物の世界に生まれてからの経験も加わるので、シズノであってシズノではない部分も含まれるのだろうけれど、そのあたりは16歳の記憶が2つあるキョウがうまく支えていくことだろう。支えてやってくれ。娘のようで元カノのようでというのは中々に修羅場だと思うが(^^;

 復元者と似た顔の文様を持つシマのオリジナルが、自分のクローンであるシマを作ったのもこういう方法かも(素体には壊れた幻体データを使ったので「子」ではないが)。もしそうなら、彼が完成させたリザレクションシステムを拡張すればイェルに肉体を与えることができるというのも分かる話。……どっかに生徒会長のデータの欠片でもいいから残ってないかなぁ(i_i) リザレクションシステムの仕様書の備考欄とかにさぁ。

 ……つかこれって、#23「沈まない月」」でのナーガ先生の特別授業で

故に、意識は外部からは常に量子状態としてしか把握しがたく、それをデータとして外部の者が取り出すのは不可能なのだ。……ガルズオルム以外はねぇ

 と言ってるところに通じてるのか。意識をデータとして外部の者が取り出して別の生体にダウンロードしてやればいいという話なんだから。なんだそうかそういうことか。

#ここでトートツに、ウィッチであるカミナギの、ガンナーであるキョウに対するデータリンクという設定を思い出したがこれ以上は発散するのでパス。


 ともあれ、他者のデータの受容を可能にさえするこの因子をシンがリョーコに贈ったのは、シンという他者を受容したリョーコの心があればこそのもの。
 「失うのが恐かったんだね、だから永遠が欲しかった」
 傷ついたシンにそう告げるリョーコの声の柔らかさ。
 「消された人の想いはどうなるの? あなたは死んじゃう人の痛みが分からないの!?」
 失う痛みが分からない、分かろうとしないナーガにそう異を唱えた時の毅然とした強さ。リョーコが優しい子でいてくれて本当に良かった。


 シンに何かされちゃったおかげでリョーコが舞浜で動けるようになった理由がよく分からなかったのだけれど、#26のCパートも含めて自分はこれで納得した。ありがとうエイトロン!

 にしてもエイトロンと復元者って似てるっちゃ似てるのか、いや全然違うのか。エイトロンがジョイントブレイクした後には塩が残るのだけれど、幻体を失ったシンの体が砂のように崩れたのも塩なのか。何で塩? エイトロンについては、水素結合がどーのこーのとかもあったけれど、「全ては海にあったんだ」(ってコミック版かこれ)というお話だったので、海→塩というような連想もしたものだけれど。海とか水に拘るのはエイトロンもゼーガペインも共通しているので、案外そういう話なのかも。

 そういや北極から地球全土を覆いつくすデフテラ領域って、南極から地球全土に広がっていく大洪水と被るかも。でもさすがに、何の因果か肉体を持たないシズノが一人、海に跳ねる魚を見て「……キョウ」と呟くラストにはならずに済んで良かった。←ならねーよ!


 ──とかぐちゃぐちゃ書いてたんだけど、見直してみたらちゃうやん。ルーシェンが言ってたのは、リザレクションシステムじゃなくて「幻体修復プログラムのバージョンアップは可能だ」じゃないか。大体この後のルーシェンの台詞に出てくる「恐らく彼は君のために」という彼はシマのことなんだからさ。すまん生徒会長。まぁでもシマが実験材料にしていたのはオリジナルが作ったシマの体だから、当たらずとも遠からずかなぁ。それこそ幻体修復プログラムの備考欄に生徒会長のデータはありませんか?

#26 減速と再生と#26 新舞浜サーバー

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コメント

可能性としては、聖書のソドムとゴモラの塩の柱でしょう。この話はかつて宇宙の騎士テッカマンブレード2で引用されています。そして、その前作に当たる宇宙の騎士テッカマンブレードのシリーズ構成に関島眞頼氏の名前があります。ゼーガペイン全体を見るとAIC、タツノコプロダクション系の人員が結構存在しているのがわかります。
ちなみに、意識をデータとして取り出して、別の肉体に注入というのはキディグレイドという作品でクヴァントのエクリプスが魂の量子化という形でやっていますね。量子だからコピーは無理でムーブしかないのですが。この辺は、多分に観測を行うと波動関数が収束するという、いわゆるコペンハーゲン解釈的な流れからくるんでしょうが、簡単に蘇生や人格のコピーを出来なくするって言う演出意図を達成するには比較的利便性の高い持って行き方でしょう。

投稿: G.O.R.N | 2006.10.04 13:03

>G.O.R.N さん 先頃はTBもありがとうございました。
 毎度ながら自分の守備範囲外のお話をありがとうございます。そっか、困ったときは聖書まで戻ればよかったんですね。──あ、でもこれってシンはともかく、エイトロンが何故塩を残すのかについては当てはまらないような気が(^^;
 ゼーガも基本はコペンハーゲン解釈ですが、問題は本文に出したナーガ先生の「ガルズオルム以外はねぇ」の前までは、#05「デジャビュ」でのクラゲの授業のほぼ引用だということです。クラゲの授業では
「えー量子力学では、観測者が居て初めて波束の収束が起きると教えてくれるが、一人の人間の意識を観測する者は本人以外ない。えー故に、意識は外部からは常に量子状態としてしか把握しがたく、それをそのままデータとして外部の者が取り出すことは不可能なのだ」
 といって、ここから先が「コピーではなくあくまで移動」である量子テレポートの説明になってます。では、何故ガルズオルムなら意識をデータとして取り出すことが出来るの? というのを、エイトロンのDTを借りて考えてみたのが本文でした、ということで。

投稿: しののめ | 2006.10.04 15:45

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