ムシウタ#05「巡リ合ウ夢」
浅沼晋太郎さんの3本目の主演作「ムシウタ」。浅沼スキーとしては大助チャプターを切りましたとも(^x^; Aパートが男の子向けのサービスならBパートは女の子向けだというのは分かりやすいなぁ。えっ、違うの?
●詩歌と利奈
あれっ1週見逃した? と思ってしまいましたがそうではなく。詩歌が利奈を助けたことに礼を言って、利奈の家に引き取っているのだけれど、その戦闘の顛末は本編ラストであさみの見ている動画に記録されている模様。#03-04が戦闘続きだったので、今回はサービス入れて、とりあえずタイトル踏まえてBパートの回想も入れなきゃなんないしってことで、次回送りなのか、ないまま台詞だけの処理で突っ切るのか。毎週見てると何だけど、まとめて見ると腑に落ちるシリーズ構成なんだろうか。まぁ#06まではとにかく見れというのはよくあるし。
墓参りをしつつ詩歌に過去を告白する利奈だけれど、こういうのが今時の若い子なんだろうかと。「殺される前に殺してやる」といって親を半殺しって、殺意に魅入られた者の末路は殺意に殺されるんだぞ。#02での「今まで育ててくれた家族だから」と口にした大助とはあまりにも対照的だから、意図的な演出だろうと思うのだけれど。薄いよなぁ。
それでいて詩歌には、人に対する好意は大事にしろだなんてよくもまぁ言えたもんだ。でも利奈自身がそういう言葉に縋りたいんだろうな。さて利奈の携帯で詩歌が大助に連絡を取る場面はどんなだろう。雨を雪かと思った詩歌は4年前のあの子のことを思い出すのだけれど、こちらは大助と別人だと思っていても無理はない。
しかし朝食のお膳のお味噌汁の位置がおかしくないかとか、一人湯船に顔を埋めて泣く利奈というのは描きたいことは分かるけどそれってリアルにやろうとするとちょっとなぁ(元々火照る顔を更に熱くしてどうするよ)とか突っ込みたくもなったり。
ただ自分はほんとーに「アルジェントソーマ」が好きなんだなぁと思ったのが、この詩歌と利奈というのが、ハティとスーとに見えたとき。詩歌は4年間欠落者だったために、体は高1だけれど中身はどこか小6のまま(またケモノマン見てたしな)。食事をしても口の周りを汚してしまう様子だとか、どうにもハティと被るんだ。ハティは13歳だけれど5年寝てたおかげで中身が8歳。アルジェントソーマは、ハティが妖精の国という自分の居場所を求める物語でもあるので、ハティもかつての自分の家に戻って泣いてたし。
そんな詩歌の面倒を見る利奈というのも、自分と同じ孤独を見てハティの世話を焼くスーちゃんと被る。Phase:EX「孤独と孤独」で描かれたスーとか見てると余計にね。
●1年D組
海浜公園での事件は土曜日のことらしい。ということは就業体験学習の話をしてたのが土曜日ってこと? 桜架東高校は土曜日も登校日なのか。
Aパートが終わろうかと言う頃になってようやく、遅刻寸前に駆け込んできて転ぶ大助に「どんくさい」とあさみは言うが、あの踏切での一件覚えてないのか? 本当にどんくさい人間はあんなことできんよ。芝居を芝居と見抜けないようでは真実にはたどり着けないぞ。
そしてまたも顔を赤らめてる利奈がなぁ。まぁ、人間正直なのが一番だけどさ。それに人間って、誰かを憎まないでいるのなら誰かを愛していないと生きていけないのよね。
●土師とかっこう
海浜公園での報告書を見て、詩歌は巻き込まれていないようだと安堵するのは大助。てことは、かっこうが寝てる間に特環はふゆほたるに逃げられたのか。それでも土師は思い通りだとか言うのだけどさ。
報告書の少女の顔に息を呑んだのも大助なのかなぁ。昔話をする土師に「止めろ!」って言ったのは中間だよなぁ。ふゆほたるの名を呟いたのはかっこうだよな。耳が試されてるー(^^;
今回の逢引は車の中で二人きり。お邪魔虫の柊子が居ませんよ。やほぅ。何かやたらと色気があるんだよなぁ。「君が不機嫌な理由は」とかって、機嫌が良いかっこうを知ってるんだな土師は。
#01からこの二人は気になってたんだけれど、やっぱ土師って良い人だよなぁと。一見鬼畜眼鏡でも、かっこうへの愛が溢れているじゃないと。──ゼーガスキーで集まってムシウタ話をしてて、そう言ったら異端だと言われましたが。しかし土師の声が坪井さんだったらとかって話が出るのが、さすがゼーガスキーの考えることは同じだなぁと(^x^;
で、ここでもアルジェントソーマという先行類型があって、Mr.Xとリウだよなぁと。尤もあちらは作中最強のおじさまとヘタレ主人公のリウという組なんだけれど。大助が土師に渡したSDカードはMr.Xの言う「君と僕との愛の交換日記」に見えてしまうし。あ、でもこれって後で回想に挿入されてる、桜架東の制服着た大助が見てるレポートが入ってるのか。あの金髪さんな欠落者は橋の下で振り向いた局員だよね? 海浜公園のレポートはわざわざカードに入れてないと思うんだけれど。まぁどちらでもいいやこの際。「交換日記」だったら面白いなぁ。
自分の顔を映した鏡を叩き割って自分自身について再認識するってのも、リウもやってたし。ただ鏡を拳で割ったリウに対し、かっこうは銃を投げつけたってのは──おいおいそいつに自分の命預けてるんじゃないのか、弾道狂ったらどうする気だとか心配になったりも。でもあの場面では、銃を投げつけるしかないんだろうとは分かるんだけれど。だってそれを手にしてしまった時から、今の彼があるのだから。しかしあの銃は官給品の装備じゃないのか、肌身離さず持ってるのか? 大丈夫か? とか、演出だってばさ。
そして回想の4年前。腕は震えてたのに、土師に答える声は必死に押さえて震わせてない、その強がりが可愛すぎるよ! かっこうの初の獲物がふゆほたるというのはこれ以上はないくらい王道の展開。
にしてもだ、かっこうの土師の呼び方が。
#01「支部長」 ←柊子の前だからかと思ったけど説明台詞?
#04「土師」 ←柊子の前だけど名字呼び捨て
#05「圭吾っ!」 ←4年前で名前呼び捨て
何なんですかこの絶妙な距離感は。可愛すぎるよかっこう。萌え殺す気か。
何かもうこれだけで、水面下にある二人の過去が透けて見えそうだ。
かっこうが新入りだからクーデターについて知らされていないというのは、土師がクーデターを知っていて、このタイミングまでかっこうを実戦投入しないで温存してたからじゃないんですか。初の実戦で、しかもまだ幼いかっこうは手加減というものを知るはずがないから、一人でクーデターを鎮圧できてしまえるなんて織り込み済みだったんでしょうに。ふゆほたるに潰されようが、かっこうが潰してしまおうが、最終的な損失の数字は変わらない訳だし。で、ふゆほたるはかっこうにしか捕獲できないってとこまで踏んでるんだもんさ、土師ってばなんて素敵な鬼畜眼鏡かしら。って原作未読組ならではの妄想ですが。
でも「死ぬなよ、かっこう」もそうだけど、土師の台詞って裏があるように見せかけて実はないように聴こえるんだよなぁ。土師の台詞で裏を読む必要があったのって、#01の「スイートルーム」くらいかな。あれは「今回の任務はさっさと終わらせて早く帰っておいで」ってことでしょ。やっぱ土師ってかっこうへの愛が溢れかえってるよ。
あとどーでもいーけど、中央線が多摩川を渡るのは立川-日野間。
●4年前
#01アバンとは台詞が違ってますが、この何ともいえない空気は浅沼さんと花澤香菜さんのお二人ならではでしょうね。いいなぁ。聞き入っちゃうよなぁ(i_i)
最初の任務なのに、直前に同僚を全滅させてしまったことで、もう諦めているようなことを言うかっこう。ここで彼が諦めたら、彼が終わってしまう。だからこそ、ふゆほたるは自分の夢を彼に託すことで彼を生かそうとした。自分はもう誰も傷つけたくない、ここで終わってもいい。でも彼には諦めないで欲しいって。先が見えちゃうと小6でもここまで悟っちゃうのか。そんなにも彼女は傷ついてしまったのか。そして自分の夢を与えてでも、自分の鏡像とも思える彼を救いたいと思ったのか。
ふゆほたるの想いは同じ想いを抱くかっこうに伝わってしまうから、彼は彼女の虫を撃つ。そして彼は「……諦めない。俺は自分の居場所を見つけるために戦う。だから、いつか、お前も夢を思い出せよ」と呟く。ここの浅沼さんがまた素晴らしい。ギリギリのところで必死に搾り出してるの。それがちゃんと芝居じゃない芝居になってるんだって言葉にすると意味不明だけど。
だからこそ、彼女は自分の夢を思い出したのだ。ならば今度は土師の言うとおり、かっこうがふゆほたるとの約束を果たす番。ここで敢えて#01アバンへ戻るとそれはこんな約束。
「それなら夢をあげる。いつか叶ったら、私を思い出して」
これ思い出してやっと分かった。かっこうの夢はまだ叶っていないから、彼はふゆほたるの顔を思い出せないでいるんじゃないのか。その名前も、夢も、彼の中に確かに生きている。なのに4年前のふゆほたると一目惚れした詩歌とが一致しないのは、そういうことじゃないのか。思い出せない記憶は思い出さないようにブロックされているものだし。
ということで、詩歌と別れたデパートの屋上で、何故こうも詩歌に会いたいのかと思いを馳せる大助って何なのよという謎が解けた。ような気がする。自分的にはこれでいいや。
●DVDのCM(角川公式サイトの告知)
角川公式には限定版特典のドラマCDに関して写真付きでコメントあり。大助は2番目に降格喰らってますが外伝だから仕方ないのか。でも浅沼さんはちゃんと真ん中で写ってるのが嬉しい。両手に花だぜやっほぅ。そして「かみちゃまかりん」同様に沢城みゆきさんが九条なのが可笑しい。こちらではお嬢様だそうですけど。楽しみです。
で、角川公式には、浅沼さんと花澤さんのサイン色紙がプレゼントになってるイベント(角川アニメ 夏休み上映会 VS 最強ライトノベル・アニメ上映会 )の告知もあるんですけど(8/4-5で終了)、お二人がお出ましだという8/18のキャラホビの詳細はまだどこにもないんですよねぇ(i_i) 早く出してくださいよー。夏コミ2日目だから時間分からないと動けないという人も居ると思うし。
■黒猫型異星人ファン倶楽部 - アニメ・ムシウタ 第5話 感想 -
原作既読組の方。例によってぶっくまーくさせておいていただきたく。多分今拝読しても全部理解できないと思うので(^^;
←#04「砕ケ散ル夢」 ◆ #06「狙ワレタ夢」→
ムシウタ〈01〉夢みる蛍 岩井 恭平 角川書店 2003-04 by G-Tools |
ムシウタ 1 (1) (角川コミックス・エース 180-1) 岩井 恭平 水 清十朗 角川書店 2007-07-26 by G-Tools |
| 固定リンク
「ムシウタ」カテゴリの記事
- ムシウタDVD vol.1(2007.09.30)
- ムシウタ#11「終ワラナイ夢」(2007.09.30)
- ムシウタ#10「スレ違ウ夢」(2007.09.27)
- ムシウタ:姓名判断と相性占いと(2007.09.20)
- ムシウタ#09「夢ノ欠片」(2007.09.16)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント