是我痛:ルーシェンの立ち位置
ゼーガペインのEDではキョウ・リョーコ・シズノに続いて4番目に出てくるルーシェンの立ち位置について、今頃改めて書いてみたりして。いや、前回がリョーコとシズノでしたし。例によってサルベージものですが。
実は当初「ドレイク&ジョシュ #13-14」にちろっと書いてたんですが、あちらでゼーガの話をするのは脱線しすぎなので、仕切りなおしで。以下、熱に茹ってた最中の「ドレイク&ジョシュ」初見メモより。
●3/24
#12 "Smart Girl" でドレイクがジョシュにちゅーしてました。
ゼーガペインのDVD最終巻見てたら#24「光の一滴」でルーシェンがキョウちゃんにはぐしてちゅーしてました。
●3/25
#14 "Brues Brothers" でドレイクがジョシュにはぐしつつ、どさくさに紛れてちゅーしてるように見えました。してないけど。
AT-Xでのゼーガ再放送の#15「リインカーネーション」で、どさくさに紛れてルーシェンがキョウちゃんの肩抱いてました。
あと#14 "Brues Brothers" ではジョシュがドレイクに2回も「君になったら楽しいんだろうな」とか言ってたし。
ルーシェンもキョウちゃんと義兄弟になっちゃえば良いんだよ。舞浜組が黙っちゃ居ないかもしれんが。
とか書いていたのだけれど、別にBL話をしたい訳ではなくて。寧ろその逆で。BLなんかじゃねぇよという話をしたいのでして。
#とはいっても、受け手側の解釈の自由はあっていいと思ってます。ただ、作り手の意図はそうじゃないと思いますよという話。意識してるんだったら、もっとあざといやり方なんていくらでもあるのですし。腐女子向けではありえないというのは、夏コミのカタログを見れば一目瞭然。
以前にも#24 さらにつづきで、ルーシェンというのは「超光戦士シャンゼリオン」の速水なんだよとか書いてみたのだけれど、この手の 「自分にはないものを持つ相棒に憧れる男」 というのは類型としてアリだよなぁと。凸凹モノとかバディ・ムービーとか沢山ある中にはそういう描写も多々見られると思うのですよ。
BLだとかって騒ぐほどのものでもないだろうに、何で#24だけあんなに。とも思うのだけれど、ルーシェンについては描写が突然すぎると見られているらしいのが本放送当時から気になっていて。──まぁ確かにキョウとルーシェンは頭からずっと二人でつるんでいた訳ではなく、寧ろもっとあってしかるべき接点が少なく見えたし。何せキョウが本編中でルーシェンに対して名前で呼んだのって#22「ジフェイタス」が最初だからなぁ、そら遅すぎるだろうて(^^;
それでも伏線はあれだけあったのにと思うのに、どうも世間様ではそれが目に付かなかったのか。あれだけのオチに至るのであればもっと当初からルーシェンの描写を多くしておくべきだという声も聞くんですが、全26話であれだけのキャラ数を動かすには必要最小限になるのは無理もないよなぁとも思うのですよ。で、自分の視点ではキョウに関して
リョーコ/シズノ という対称と同格で
水泳部+トミガイ/ルーシェン という対称が置かれているように見えるので、
一方の描写が濃いと思うのならそれとほぼ同格の裏が他方にあると思えば、ちゃんと相互補完されるよなぁ、と思っていたのですよ。それこそ#01の舞浜パートは、女装トミガイとキョウのキス未遂から始まってたし(^x^; ←あれは映画の撮影だから!
そういう行間を読む作業って面白いと自分では思えるのだけれど、最近はアニメの本数が多すぎて、皆さんそこまでやる余裕はないのかな。
この対称関係を、前バージョンのキョウが双方をどう見ていたかという点に持ち込んでみると面白いなと。キョウが水泳部の友人達との喧嘩と仲直りを何度も繰り返さないといけないのは、中学時代に彼らを裏切ってしまったから。だからこそ、以前のキョウはルーシェンを絶対に裏切れないと思っていたんだろうなぁと思える訳で。なのに月面で自爆だなんて、ルーシェンを裏切るような真似をしたものだから、ルーシェンがリブート当初のキョウに冷たいのは無理もないことで。ルーシェン視点での2周目ってほんと面白いですよ。 →#01@AT-X再放送
ただ、#24 消滅と死とでも少し書いてるんですけれど、作品の主人公というのはその作品を象徴する存在なので、#24でのルーシェンのキスしてグッバイというのは、桶谷さんのゼーガという作品に対する愛と別離とが托されている場面だとも思うのです。
あとここでもう一つ面白い対称として、それこそ「シズノ/ルーシェン」という組み合わせがあって。前バージョンのキョウに惚れたものの、リブート後のキョウについては距離を置いて見守るしかないという点で、最大のライバル同士といわんばかりのものが。
#19「ラストサパー」は、まさにそうした二人によるキョウちゃん争奪戦だったのだけれど(ぉぃ)、物語が完結してからこの二人を見ると、ルーシェンはシズノの最大の理解者になり得る立場でもあったのだなぁと思えて興味深いのです。
イェル=シズノには自らを生み出したナーガが居るのと同じように、ルーシェンにはIAL社に出資した父が居た。彼らのおかげで人類は幻体化されてしまった。シズノもルーシェンもそうした「父」の犯した罪の重さというものを眼前に見せつけられ続けていた訳で。
けれど恐らくは、それに囚われすぎる心を軽くしてくれたのが、前バージョンのキョウだったのだろうことは想像に難くないのです。なのにそんな彼ですら現実の前に一度は潰れてしまう。その現実を生み出したのは自分の「父」であって……と、そうした背景は同じようなものを背負っていたんだなぁと。
そう考えてみたときに、最終話でシズノをどうにかして実体化できないものかと、幻体修復プログラムの解析をしているのがルーシェンだというのが面白いなぁと。勿論キョウのためにシズノを何とかしてやりたいという思惑もそこには絡んでいるのだろうけれど、シズノのことが他人とは思えないとルーシェンが思ってくれたのなら、何かそれって良いなぁと思えて。
でも多分、ルーシェンはそれを自分の功績だなんて絶対に言わないよね。敵に塩を送ったなんて絶対に言わないよね。と思ってしまうのは、リョーコをサルベージしたことをシズノは自分からキョウには言わなかったよなというのと同じレベルの話。
案外シズノとルーシェンは似たもの同士なんじゃないかとも思うのですよ。
つーかルーシェンにせよシズノにせよシマにせよキョウちゃんにせよ、皆目的のためには手段を選ばないんだよなぁ(^^; 実際には、選んでいられないんだけれど。
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↓まぁこれを見ればルーシェンの立ち位置というのは明白か。
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