沖縄慰霊の日
63回目の慰霊の日。彼の地は夏の眩しい日差しの中、今年も祈りの夏が始まる。現地は相当暑いのだろうに、式典の中継で語られる言葉に震えている自分が居る。夕刊で目にした
でも私が本当に訴えたいのは日本軍の残酷さではない。彼らにそうさせた戦争が、残酷なんです。ベトナムもイラクもそうです。
という語り部の方の言葉に目頭が熱くなる。
ベトナムにもイラクにも、沖縄から米軍の部隊は送られたのではないか。
昨年のこの日には、教科書での「集団自決」の記述問題について触れていた。あの後、沖縄の世論が風向きを変えたけれど検定の撤回はまだだったよなと過去の記事を追う。
■割れる沖縄/運動継続か収束か(asahi.com:マイタウン沖縄 2008年01月16日)
沖縄戦の「集団自決」をめぐる教科書検定問題で、今後も要請活動を続けるのか、矛を収めるのか、沖縄の足並みが乱れ始めている。県民大会実行委員会委員長の仲里利信・県議会議長(自民)らは15日、文部科学省などを回り、検定意見の撤回などを改めて要請した。しかし、沖縄の自民党国会議員は「検定問題は決着済み」という立場から仲介を拒否した。
教科書検定問題では、文科省は昨年12月、教科書会社6社から出されていた訂正申請を承認。「軍の関与」などは認められたが、沖縄側が求めていた「軍が強制した」という記述は復活せず、検定意見そのものも撤回されなかった。
<中略>
自民党国会議員が幕引きを急ごうとしていることについて、同党県連幹部の一人はこういう見方を示した。「6月に県議選、11月に那覇市長選がある。この問題が長引けば、自民党批判の材料に利用されかねないからだ」
超党派で取り組んできたのに選挙の前にはこうなってしまうのかと。
■<社説> 司法も認めた軍の関与(asahi.com 2008年04月01日)
この文章はあくまで社説なので、訴訟の内容については下記に詳しい。
3月の<集団自決訴訟判決 元隊長の請求棄却>の一連の記事。
集団自決の命令を出したと本に書かれたのは名誉毀損だとして元隊長が訴訟を起こしたというものだが、記述は正当だとして訴えは退けられたというもの。
先の語り部の方の言葉通り、日本軍の命令系統にあった元隊長個人に対してどうこうというものではないのだろうから、名誉毀損というものではないのだろうと思う。
残酷なことがあった。それを語ることさえ出来ない、重く苦しい時間があった。
訴えたいのは、その事実なのだ。
在日米軍の問題も依然大きい。
沖縄タイムスでは、慰霊の日の記事に混ざって、関東では報道もされていない「米軍兵長に有罪/タクシー襲撃」という記事がある。
毎日.jpの沖縄戦の写真の、 「米軍はある地域を占領すると、住民をある一定の地域に集結させた=1945年6月20日撮影」 という白黒写真から続く現実がそこにはあるのだ。
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